■鎌倉市の行政課題との関係
行政課題を訴えた、又はアンケートに答えた候補者とそれ以外の候補者の当選率は大差なし

候補者が選挙管理委員会の選挙公報で、市の3つの行政課題、①市庁舎移転(住民投票藻含む)、②村岡新駅整備、③ごみ処理行政について触れていたのは36人中14人。
    市役所移転  村岡新駅   ごみ処理施策   
    (8人)    (6人)   (6人)   

    栗原 絵里子 栗原 絵里子    
    岩田 薫   岩田 薫   岩田 薫

    出田 正道  出田 正道  出田 正道
    高野 洋一  高野 洋一  
    悦田 和久  長嶋 竜弘  藤本 麻子
    松中 健治  武野 裕子  中村 聡一郎
    保坂 令子         中澤 克之
    石田 智嗣         大石 和久
(今回当選者は太字)
          表1
ダブリを除き10/14名、71%が当選。
一方、行政課題に触れていない候補者は16/25名、64%が当選。
候補者は、リアルな行政課題について自身の考えを訴えると票が取れないと言われているが、当選率は訴えていない候補者より7%上回った。
又、鎌倉の市民団体が選挙前に行政課題について公開アンケートを実施した回答に対しては、回答者が21名。
62%の21名中13名が当選した。
       本庁舎移転  ごみ焼却施設  住民投票  村岡新駅 
              市内建設    条例制定  必要性    
 賛成     1       11      16       6
 反対      11                       11
 保留・不明  9       10       5        4
                 表2
当選者は賛成・反対と保留に関わらず双方から出ている。
無回答又は非公開回答が17名。
こちらは71%にあたる12/17名がが当選した。
こちらでは、選挙公報と逆に回答している候補者の当選率が9%低かった。
総じて、市の行政課題云々を訴えた候補者と、総花的な防災、福祉だとか行政課題を離れた町づくり理想像とかの美辞麗句をならべている候補者の当選率に大きな差は無い。
有権者の選択理由は
市が抱えるリアルな行政課題より別のところにあったようだ。
このことは、鎌倉市議選に限らず国政選挙を含む他の選挙でも同じと言える。
 ①現職であれば任期中の有権者に目立った議員活動(内容問わず)
 ②新人・元職であれば知名度(タレント、スポーツ選手等)
 ③選挙前6ヵ月くらいからの有権者への露出度
 ④街中の噂、ポスター板のスローガンと写真等
であるようだ。
二元代表制の議員の役割の一つは、行政の見える化、行政課題を解りやすく有権者に示すことである。
候補者の行政課題に真摯に立ち向かう資質など有権者にはとても見抜けない。

政党(団体)との関係
2019年の参院選の政党支持率は以下の通り。
       全国  鎌倉市 政党候補の 市議選得票数
               得票率   換算(*1)
 ・自民   35.4% 32.3% 23.6%   17,106
 ・公明   13.1%  6.9%     11.3%     8,191 
 ・立民           15.8%    23.4%    26.3%         19,063  
 ・共産             8.9%    10.5%    13.7%             9,930
 ・維新             8.8%      9.0%    16.3%           11,815 
  *1:政党候補の得票率により換算
             表3
衆院神奈川四区は、無党派層が多いと言われている所以は、
1)保守系の自民支持率は、全国35.4%であるのに四区の鎌倉市は32.3%であること。
2)野党の立民は、全国15.8%に対し、鎌倉市は23.4%と高いこと。
 同じく野党共産は、
全国8.9%に対し、鎌倉市は105%と高いこと。
3)又、鎌倉市では当選した公明の佐々木さやかより落選した共産の浅賀由香のほうが多かったこと。
などが挙げられる。
これが市議選にどのように影響するのか。

少し長くなるので、次回 ■2021鎌倉市議選-総括3 政党(団体)との関係 でまとめる。